9.パソコンの持ち込み
      
  病院への持ち込み品で、1品目だけ家内と激論になった。その品物はパソコンである。      
 私のパソコンはWindowsXPシステムである。MS社のサポート切れによりインターネットや      
 メールには利用していない。音楽編集アプリソフトのバックアップ機でオフラインある。      
 自宅にあるWindows10システムは家内用で写真の編集加工に利用している。さらに家内      
 はタブレット端末、スマートフォンも利用している。家内は自宅でタブレット、戸外では      
 スマートフォンを利用している。パソコンを写真の編集加工に利用する時間が少ないので      
 あまった時間は、私が音楽編集アプリソフトに利用させてもらっている。その実、私が      
 ほとんど利用しているのだ。
      
  私は術後、メールを見たり、インターネットを見るために、Windows10システムを      
 病院に持ち込みたいと家内へ提案した。家内から一言ダメです。術後、1週間は身体が      
 まともに動かない。だから面会は、家族だけと限定しているのに、ブツブツ・・。      
 メールを見たければ、家内が面会の時、タブレットを持参するので、タブレットで見て      
 ください。パソコンの持込みはダメ。ハイそうですかと素直に引き下がる私ではない。      
 それではWindowsXPシステムを持ち込む。1週間後でよい。かばんに入れて運べるように      
 準備しておくから、病院へ持ち込んで欲しい。家内も渋々了承した。
      
   ① パソコン持ち込みの意味     
    WindowsXPシステムを持ち込みたいということは、術後パソコンを意識的に利用    
   したいということである。手術で絶命することなく、生還してパソコンを使用する    
   つもりである。やはり今回はピンピンコロリになりたいわけでなく、生きていたい    
   のである。結果として生還した。めでたし、めでたしである。    
       
   ② アルトハーモニカ本の作成     
    それで私はパソコンでなにをしたいのか?私にしか作れない本をパソコンで下書き    
   したかったのである。それこそ遣り残しているもの、アルトハーモニカの吹き方を    
   本にしたかったのである。内容はハーモニカの特徴、構造、持ち方、吹き方、さらに    
   同好会での練習を通じて習得した知恵を加えておきたい。もちろん練習曲、カラオケ    
   CDも備え付けたい。身辺整理の時点では、簡単に書き下しできないと思い、棚上げ    
   していたのである。ところがである。ほぼ構想が出来上がっているので骨子だけは    
   下書きできるのである。その実、本原稿を書いているのと並行に、ハーモニカ本も    
   下書きしているのである。パソコンでいっきにワープロ化するのではなく、白紙に    
   万年筆で骨子を書いているのである。文章、写真などの肉付けは、後ですればよい。    
       
   ③ 病院の書斎     
    話をパソコンに戻そう。なぜパソコンを病院に持ち込むのか。それは白紙に下書き    
   した原稿をワープロ化したいのである。このワープロ作業こそ、病院での暇つぶし法    
   であり、持込の大きな目的であった。それでは本当に病室のベッドでワープロ作業を    
   するのか?それは否である。病室ではない。ではどこだ。
    
    入院する病院には、談話室がある。実に日当たりがよく、眺めも良い。1日中、    
   外の光景を眺めながら過ごせる部屋である。私はこの談話室でワープロ作業すると    
   考えたのである。この談話室には当然ながら、椅子やテーブルが設置してある。    
   さらにWi-Fiコーナーがあり、電源コンセントも近くにあり、カウンター(袖机)    
   まで設けてある。ワープロ作業にはもってこいの場所である。このコーナーこそ    
   私にとっては、病院内の書斎である。実に心地よく過ごせる場所である。そのため    
   にも、本原稿の下書きを完了させなければならない。精々、出筆を急ごう。    
       
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