3.約束事と世話役の引継ぎ      
  手術すると決心したので手術・療養等の期間を確保しなければならない。すると職場及び      
 同好会メンバーとの約束や計画を、白紙に戻さなければならない。また、同好会の世話役も      
 引継ぎをしなければならない。しかも1ヶ月の間にである。      
       
   ① 介護の職場     
    再診の結果、膵臓が良くない。さらに詳細な検査をして手術・療養が必要となった。    
   治療期間の2~3ヶ月は、職場を休まなければならない。私は受診日、帰路において    
   介護施設を訪問、上司と面会して、膵臓治療のため手術する事を報告した。ついては    
   12月は検査のため全休したいと申し出た。1月には手術し、2月以降は自宅で療養    
   するなど、大雑把な治療計画を説明して、上司の承諾を得た。    
    介護現場における私の仕事は、介護職員の助手的な作業である。だから、私が急に    
   休んでも、ほとんどの介護職員で対応できる。介護職員の人数不足がなく、仕事が過    
   負荷になっていなければの話である。職場の上司から、休業の承諾を得た。まずは、    
   治療に専念する時間を確保できた。    
       
   ② 民生児童委員     
    私は2016年12月1日より民生児童委員となった。前日の11月30日には    
   膵臓癌の手術をすると決心したばかりである。翌日の1日は、委員の任命式である。    
   この時点で、即座に委員を辞退しますとは言いがたく、渋々ながら委員を拝命した。    
   私の地域は老人数が多いので今期から委員が1人から2人に増員された。このこと    
   で、私に代わる人を即座に探さずにすむのではと考えた。1ヶ月かけて、対処策を    
   考え実行できるわけである。委員は私が前任者から引き継ぐ番であった。ところが    
   急遽、1名増員となったので前任者と相談して、相方のAさんを推薦したのである。    
   Aさんとは地域を分割して、担当する事にした次第である。私の気休めとしては、    
   前任者が全域を1人で担当できていたのだから、Aさん一人で全域の担当も可能で    
   あると推量した。そこで新任民生児童委員の研修会で、Aさんに私は病気ため手術    
   することを伝えた。私の治療期間中は一人で対処して欲しいとお願いした。Aさん    
   は了承してくれた。まず、当面の療養期間中は何とかなりそうである。後は地域の    
   委員会や上部組織の運営規則への対応である。私が十分に委員の活動をできないの    
   で、代替者を立てなければならない時の対応である。    
    そこで、私は次の委員に推薦したいと思っている人(Bさん)に代替者として、    
   白羽の矢を立てた。Bさんは家庭菜園の仲間で私より4歳若い。農作業の休憩時に    
   次は民生児童委員を担当してやと話したことがある。Bさんを説得するしかない。    
   私とBさんの奥さんとは、簡化24式太極拳の同好会の仲間である。本同好会でも    
   私の病状を説明して休部しなければならない。まず同好会メンバーに手術するので    
   練習を長期に休むと伝えた。Bさんの奥さんには、個別に追加的なお願いをした。    
   もし私が手術で絶命した時は、ご主人にお願いがある。民生児童委員を引き継いで    
   欲しい。即座に反応があった。早速、Bさんが我家を訪問したのだ。私はBさんに    
   病気の状況や手術することを説明した。説得の結果、Bさんは私に何かあれば委員    
   になると約束してくれた。これで民生児童委員の件は、一件落着である。    
    術後の回復状況が良好であれば、1期3年は任期を全うしたいと思っている。    
   3年後は、Bさんに委員を引き継ぐつもりである。

       
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   ③ 簡化24式太極拳の同好会     
    私は3回/月、地区の公民館で太極拳の練習をしている。師範の先生Cさんが、    
   1昨年、胃癌の全摘手術を受けられた。先生の体調回復をまつ間、練習経験の長い    
   私が、先生の代役として練習をリードしてきた。これは先生がいずれ復帰されると    
   信じて行っていたものである。私は太極拳を指導できる資格を有していない。同好    
   会の長老的な存在として、世話役をしていたに過ぎない。    
    私は病気・手術のことを説明した。しばらくは、練習に参加できない。ついては、    
   次の長老的な経験者Dさんに練習のリードをお願いした。さらに世話役の事務処理    
   をEさんへお願いした。すると翌日に反応があった。師範のCさんが、我家に来ら    
   れて、ご自身の体験から十分に療養するよう助言を頂いた。    
       
   ④ 素謡同好会チームA     
    私は退職してすぐに観世流謡曲の素謡同好会に入部した。練習経験も5年を過ぎ、    
   順めぐりで世話役を担当していた。本同好会には11月下旬に私の体調が良くない    
   ことを話していた。突発的な発言をすると纏るものもうまくいかないことがある。    
   事前の宣言である。12月2日、正式に私の病気・手術のことを説明した。私が    
   担当している世話役をFさん達に携って欲しいとお願いした。当日の討議では誰が    
   世話役をするか定まらなかった。治療期間の数ヶ月ならば、Fさんが代行しようと    
   なった。25年以上の経験者であり、頼りがいのある先輩である。    
    しかし私はもう1人、代替者を定めなければならず、本件が切羽詰っていた。    
   本同好会は例年1月に新年会を実施していた。今回は1月13日に定め場所等を    
   私が半年前から手配して、行事の計画を立てていた。新年の初素謡会、その後に    
   祝賀会を行うのである。初素謡会の演目とその謡役を定めて、メンバーの賛同を    
   得なければならない。ほぼ私の提案通りの内容で承認をえた。これをプログラムに    
   したためて、メンバーへ配布した。問題の代替者は会計担当者である。私は毎月    
   同好会の会費を徴収されているGさんに、祝賀会の会計をお願いし了承いただいた。    
   これで安心して13日は、手術台の上に寝ておれる。1月15日、Gさんから電話    
   に伝言があった。祝賀会、無事に済みました。お大事に。 家内から伝言を聞いて    
   私はホットした。    
    私は初素謡会に期待していた事項があった。それは私と同年代の新人さんが新年    
   の素謡で初めて役謡をするのである。すなわちいつもは地謡(コーラス)ばかりを    
   練習していたが、今回始めて一人部分の役謡をするのである。それは舞台上で素謡    
   のデビューを意味する。新人さん、デビューがうまくいったと思っているよ。    
       
   ⑤ 素謡同好会チームB     
    私はまた別の素謡同好会にも入部している。このチームはプロ級の先生Hさんが    
   主催している。こちらは例年年末に、謡納会・忘年会を実施する。私は医師から    
   禁酒と指示されていた。本忘年会にはお酒が出てくる。私はHさんへ病気・手術の    
   ため、忘年会欠席を口頭で伝えた。また、この同好会もしばらく休部である。    
       
   ⑥ 社友会ゴルフコンペ     
    私は下手の横好きで、社友会のゴルフコンペに参加している。10月、幹事さん    
   から1月19日開催ゴルフコンペの案内メールが届いた。私は早速、出席の回答を    
   返信した。ところが今回の病気治療・手術である。どのように考えても、入院中と    
   推測した。それで11月30日にコンペ幹事さんへ体調不良のため今回も不参加と    
   再度返信した。幹事さんごめんなさい。春頃のコンペには体調を整えて参加したい。
    
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